・前からみると馬の赤ん坊ほども大きく見え、後ろから見ると、極めて小さく見えたという。
・しかし、オオカミを何よりも、神秘的な存在にしたのは、遥か彼方から、響きわたる遠吠えであった。
・日本にはもう一つ、北海道にエゾオオカミがいたが、これは、ユーラシア大陸のオオカミと、大きさも形もほぼ同じで、ニホンオオカミとは違う種類だった。
・アイヌ民族は、オオカミを「遠吠えする神様」と名付けた。北国の長い冬の夜、その声は、人々に、ある種の信仰心を起こさせる力があった。
・オオカミは、世界中どこでも恐れられていた。人が、野生の山中に入る時、まず恐れたのは、オオカミだった。だが、どんな種類のオオカミであれ、普通の状態で、人を襲ったという信じるにたる証拠はない。
・人間の勢力圏が広がるにつれ、オオカミの領域に踏み込み、その結果、オオカミが家畜を襲い、人間と敵対することになったのである。