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リョコウバト(北米/1914)

image/Passenger Pigeon

・リョコウバトは、かつて、地球上で最も数の多い鳥の一つだった。その集団に出会うと、空が完全に覆われるほどだったという。棲んでいた地域は北アメリカ東部で、数々の証言を合わせると、リョコウバトは、アメリカ合衆国にいた陸上の鳥類全体の数の、25パーセントから40パーセントを占めていたと思われる。



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・無数のハトたちが群れをなして飛んでいる様は、虹色の魚の群れのようにも見えた。彼らは、餌の豊富な場所を見つけるまで、空高く飛んでいく。良い場所を見つけると、旋回しながら大きな円になって、地上に下りる。そして、木の実や種を食いつくすのだが、その集団の動きは、極めて組織的だった。後ろの群れが、前の群れの背中越しに最前列に出ていく。それが繰り返し続くのである。
1882年、科学者J.M.ウイートンは、餌をついばむ群れを描写している。「その動きは、たちまち、一定の整然としたものとなった。後ろから前に移っていく動きが、余りに早いので、群れ全体が、直径50メートルものシリンダーが、羽や草をいっぱい撒きながらくるくると回っているように見えた。」



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