・ライオンたちは、ある時は、剣闘士と戦わされ、ある時は、キリスト教徒に、けしかけられた。
・北アフリカを征したのは、ローマ人でもバーバリライオンでもなく、砂漠であった。家畜の過剰な放牧が、その主たる原因であった。
・こうして捕獲されたバーバリライオンの数は、数え切れないほどだった。あるローマ皇帝は、ひとつの戦勝パレードのために、600頭も捕獲させ運ばせたという。
・ローマ帝国が滅亡するまでには、バーバリライオンは、北アフリカのほとんどの地域から姿を消していた。
・人間たちは、新しい環境に適応していったが、ライオンたちは、できなかった。そして、少しでも緑の残っている所には、必ず人間が家畜を連れてやって来て、ライオンたちは追われた。その繰り返しだった。
そして、砂漠だけが広がっていった。